地震のこと


金曜日。


朝、普通に相方殿を送り出して、洗い物して、夕御飯のお米セットしてバイトに行った。
いつものメンバーでいつものシフト。
3時少し前、ちょうどお客さんが落ち着いたくらいの時間に地震がきた。
はじめはたいしたことないと思っておさまるのを待ってたんだけど、揺れは強くなるばかりで。
「危ないから油から離れて!」ってマネージャーのお母さんの声がして
急いでシンクのそばのスペースに洗い物をしていたお母さんと身を寄せた。
足元がすくわれて立っていられないほどの揺れ。
停電で薄暗くなって、非常ベルが鳴り響く店内。
棚が倒れ、物が落ちて、通路がふさがっていく。
びっくりして怖くて声が出ない。足に力が入らない。
外に出る余裕もなく、ただじっと揺れがおさまるように祈る間はとても長い時間に感じました。
店内にいた常連さんふたり、そしてお店にいた4人ともけがはなく、とにかくほっと一安心。
外に出ると地面が割れて、液状化現象?なのか水と砂が割れ目から噴き出していて。
隣の石材店も石が倒れてしまっていた。
こういう日に限って外は薄曇りで冷え込んでいて、震えながら外で余震におびえつつ情報収集。
あたりまえだけどまったく電話つながらず。
途方に暮れていたら、隣の病院からたくさん車が移動してきた。
話を聞くと、海から川へ水が逆流してきてるらしい。
バスに患者さんを乗せ、近くの中学校に避難する模様。
前のスーパーのパートさんたちも集団で坂の上の中学校に上がっていくので、
私たちも避難することに。
中学校の体育館に行くと、しばらくして足元をぬらして住民の人が避難してきた。
聞くと津波で国道にまで水が来ていて、港あたりでは流された車や家があるらしい。
どちらにしても今は動けない。
お母さんたちは家族の様子を見に帰宅してしまったので、とりあえず様子をみて帰れそうなら帰ろう。
ダメならとりあえずここで待とう。
メールはとぎれとぎれではあったけど、送信はできるので相方殿に中学校にいると報告。
暗くなってきた頃、お昼過ぎまで一緒に働いていたマネージャーさんが家族と一緒にわんこを抱いて避難してきた。
お互い無事を喜んだのだけれど聞けば車は流されてしまったという。
つい先日、車検も終わってうれしそうにしていたのにな…。
でも無事でよかった!
しばらくすると相方殿から返信。無事で何より!
家に帰れたとの報告。こちらに来ようにも国道が水没して無理らしい。
地元のお母さんに山側のルートを教えてもらい、帰宅することにした。
信号も消えて薄暗い町。
崩れたブロック塀や瓦をよけるようにゆっくりゆっくり車を走らせてなんとか帰宅。
アパートの横の空き地で相方殿に合流し、お互いの無事を喜びました。
その日の夜は車のシートを倒して寝袋で就寝。
町が暗いからすごく星がきれいでした。